


墓石に用いる石は、屋外で強い陽差しや風雨の中に建てることになるため、耐久性を第一に考え風化や錆び等の経年変化に強い、石目の美しい石が最適です。
昔は重量のある石の運搬や加工が困難で、墓石は柔らかく加工しやすい安山岩が使われていました。
ダイヤモンドカッター導入後の現在は堅くて風化しづらく、磨くと光沢がでる花崗岩や閃緑岩、斑レイ岩が多くなりました。一般的に「御影石」と呼ばれています。
※御影石は本来兵庫県の御影地方で産出する花崗岩の名称ですが、その石は現在本御影(ほんみかげ)と呼ばれています。

実際にどの石を選ぶかということになりますと、外国からも多くの石が輸入されており、国産の石を含めると石の種類は100種を超えます。しかし、実際に石材店で扱っている石は過去の実績や、自信の持てる石など20~30種程度といったところです。 それら石見本を見ながら決めていくことになりますが、小さな石見本では、お墓が建った時の実際の仕上がりイメージをつかむことは難しいので実際にお墓として建ったものを石材店に案内してもらい、実物をご覧の上でお決めになることをお勧めします。


石は種類が多いばかりでなく、値段も実に様々です。石質が均一で、キズやムラのないもの、また石目の細かいものが一般的に高額といえます。
この他、石の色や産出量、人気の度合といったことも値段に影響するため、実物をご覧のうえ決定していくことになります。石の色について吉凶をいう方もおりますが、特に気にする必要はありません。


これまでは日本国内で産出される国産石材のみが主に使用されてきました。
しかし、近年、国内産の産出量が年々減っており、現在では輸入石材が増え、流通する石材全体の七割近くが輸入品になりつつあります。
国内産は希少価値もあり、外国産のものよりも割高になります。しかし、長い年月、風雨にさらされる墓石は、気候によっても耐久性が左右されます。その土地の石として長年使われてきた石は、土地の気候風土に合った石だといえます。

墓石として昔からよく知られている代表的な石として庵治石や大島石等があります。これらの石は他の石と比べ、風化作用に強く墓石として実証されていますので、安心して使うことができます。 下記に国産の石で代表的な石材をご紹介します。
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| 産 地 | : | 香川県 |
| 石 質 | : | 石質は硬く、研磨による艶出しもよい。表面に庵治石独特の「斑」が浮く。 |
| 特 徴 | : | 庵治石の歴史は古く、安土・桃山時代には寺社建築に使われた記録があります。大正時代から銘石として全国的に知られ、日本を代表する高級墓石材です。 |


| 産 地 | : | 愛媛県 |
| 石 質 | : | 石質は硬めで吸水率も低く研磨による艶の出も良い。経年とともに青味が増す。 |
| 特 徴 | : | 採石の歴史は古く、四国を代表する石の一つとして関西を中心に人気が高いです。最も石めの細かなものを特級と呼び生産量は少ないです。 |


| 産 地 | : | 兵庫県 |
| 石 質 | : | 石質は硬く吸水率も低く、経年変化があまりない。 |
| 特 徴 | : | 採石の歴史は古く、善定石と呼ばれていましたが、兵庫県を代表する六甲御影石と似ていることから、近年「播州みかげ」として採石されています。 |


| 産 地 | : | 岡山県 |
| 石 質 | : | 石質は硬く、吸水率の低い。 |
| 特 徴 | : | 淡紅色の御影石として古くから人気の高い石です。特にカリ長石が、万成石の特徴である淡い紅色を生んでいます。使用用途としては、墓石の他、記念碑や建築材として人気が高いです。 |


| 産 地 | : | 岡山県 |
| 石 質 | : | 石質が硬く、粘りがあり、石目が均一な中目で研磨による光沢に優れる。 |
| 特 徴 | : | 採石場は海岸に近く、戦前より建築材として大量に使われていました。中目の他、細目でやや赤味を帯びたものを「瀬戸赤」、白味の強いものを「瀬戸白」と呼んでいます。 |


| 産 地 | : | 神奈川県 |
| 特 徴 | : | 神奈川県真鶴町で古くから採石されており、丁場は海岸部にあり、運搬に便利なことから、江戸城築城の折など関東圏では大量に使われています。 気品ある淡灰緑色の色調で高級墓石材として、関東で根強い人気があります。 |

外国産は産出量も多く比較的、質の良い物でも、安く手に入れることができます。又、日本では産出しないか産出量の少ない赤御影や黒御影等様々な種類があるのも特徴です。但し種類が多いといっても、必ずしも耐久性に優れたものばかりとは限りません。墓石としての実績も国内産に比べ短いです。
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| 産 地 | : | 中国黒龍江省 | 特 徴 | : | 中国産白御影石の中では高級墓石材として知られています。石目は中目ですが、石質もよく硬度も高く、吸水率も低いです。よく見ると若干青味を帯びており、関西方面でも人気があります。 |


| 産 地 | : | インド |
| 特 徴 | : | インペリアルレッドに似た赤系の石で、インドの赤系の石を代表する石です。赤系の石の中では安価でインペリアルレッドに代わる石として使われることが多い。 |


| 産 地 | : | 中極福建省 |
| 特 徴 | : | 中国産白御影石小目として知られています。日本の大島石と石目、色が似ているので人気も高いです。沿岸部で採石されていて、吸水率は比較的高いですが、キズ、色ムラ、スジなどがほとんどなく、大材も採れます。 |


| 産 地 | : | スウェーデン |
| 特 徴 | : | スウェーデン産の最高級黒御影石です。現在採掘されている黒御影石の中では、最高級品質の石です。非常に硬く、密度が高いため、研磨加工には特別な砥石を必要とするほどで、高級品として人気があります。 |
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