お墓を建てようと考えた時、“お墓”とはどういったものなのか?なぜ大切な人が亡くなった時に建てなければならないのか?などよく考えると疑問やわからないことがたくさんあるかと思います。
そこで、創業140年の田中家が独自の視点でお墓を建てる本来の意味、またそれに関するエピソードを
ご紹介します。
日本には独自の美意識を表す「わび・さび」という言葉があります。
この「さび」は本来時間の経過によって劣化した様子を意味し、そこから”古びて味わいのあること”、“枯れた渋い趣”を表すようになりました。それが転じて石のさびのことだとも言われています。
天然の石は年月を経るにつれ独特の風合いを醸し出します。日本人はその永い年月が出す風合いにご先祖様を敬う意味を見つけ、またそこに不思議な畏怖を感じてきました。
お墓を建てるということは、遠いご先祖様から今に生きるわが身、またこれから先の子孫までを繋ぐ世代を超えた家族の象徴をつくるということなのです。
先日、小さなお孫さんをお連れのお客様から、右の写真を見せていただきました。これは約80年前、お墓の建碑式の記念写真です。
右側からお客様のお父様、おじい様、神主様、当時の弊社職人です。お父様とおじい様は現在、今も清潔に保たれたこのお墓に眠っておられます。
当時はまだお生まれになっていないお客様が、お孫さんとこのお墓をお参りされています。
ある時「私もこのお墓に入るから」とそのお客様はおっしゃており、そのお顔をお孫さんは不思議そうに眺めていました。
お孫さんも今はわからなくても、将来はまた自分のお子さんに伝えていくのでしょう。
この様にお墓を建てることで、お墓が家族の象徴として世代をまたぎ末永く繋がっていくのだと感じたエピソードです。